こちらからは以上です。

得意科目はアニメと音楽です。

Tears in Heaven

Tears in Heaven (2015 Remaster)

 

 

「彼女」の特異なる点とは何なのか、を私は自分の全ての文章能力を使ってその説明に努めようと思う。

 

 

 


まず

1.彼女は1970年にアメリカで死んだ。
これは特異ではないと思う。1970年にアメリカで死んだ人は沢山いる。

2.彼女は歌を歌うのがあまり上手くない(らしい)
私は歌の上手い下手がよく分からないのだが、歌の上手い下手が分かる人に言わせれば、そうらしい。確かに、そんなことが分からない私が聞いても、声はよく掠れるし、高音も出しづらそうだ。 只、彼女はとても楽しそうに歌う。

3.彼女は作詞作曲をほぼしなかった
いくつか彼女が作った書いた曲は残されているが、シンガーソングライターを胸張って自称するには、また活動期間の割には少ない。また彼女が初めて喝采を浴びたのも、古いブルースを彼女流に歌い上げた時であった。僕は彼女を敬意を込めて「カラオケお姉さん」と呼ぶ。

4.彼女は間違いなくブスだった
同時代を生き、同時代に死んだ音楽家(男)たちは程度の差はあれ皆イケメンであった。当時の映像の少女達の熱狂を見る限り、「彼等」は間違いなく少女達のセックスの対象足り得たと思う。しかし彼女は少年達に性的に無視された。それも環太平洋級のブスではなく、平均点をやや下回る程度の、悲哀を伴うブスであった。笑顔が餅菓子に似ていた。

それでも彼女の声には私をとても引き付ける何かがある。私は、女性の叫び声が好きなのだが、そういう点でも、歌よりも叫びに近いと思う。彼女は、隣のコンサート会場にいる音楽評論家はおろか、地球の裏側にいる童貞、木星に不時着した迷える金星人にまで聴こえる-聴こえさせる-様に歌った、もしくは叫んだ。


「通りに出て、最初に会った可愛い男の子を連れてきて」
「ほんとかよ」マークが言った。
「行って」彼女が言った。
しばらくしてマークは、イギリス訛りのあるハンサムで長髪の青年を連れて戻ってきた。青年は床まで届くような、刺繍入りのアフガンコートを着ていた。その彼を眺め回して、彼女は満足した様子でうなずいた。
「彼、キュートじゃない、マーク!」
彼女は青年に向かって言った。
「どうも、ハニー!座ってよ!あたしの名前は彼女。聞いたことある?」
「ああ、聞いたことあるよ」
「そう、で、あんたの名前は?」
「エリック・クラプトン」

         ~「彼女-禁断のパール-/エリス・アンバーン」、一部変更~



私が音楽を聴いて声に出して笑ったのは、「彼女」の歌とチャーリー・パーカーの演奏を初めて聴いた時だけだ。

 

 

Tears In Heaven

Tears In Heaven

 

 

 

ナウズ・ザ・タイム+1

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